福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.128(H11/1999.11) -024/042page
[6] 国語学習に関する意識の変容について
資料2 《国語学習に関するアンケート(意識調査)結果》
質問項目 解答 事前 事後 1 国語の学習がすきか。 好き 11 40 まあまあ好き 36 40 あまり好きではない 50 20 嫌い 3 0 2 国語の得意か。 得意 8 14 少しは得意 31 43 あまり得意ではない 37 20 苦手 11 6 3 国語の学習で、自分にとって簡単にできるものはどれか。
(複数解答可)読むこと 53 51 読むこと 31 49 聞くこと 58 60 作ること 8 9 話すこと 8 11 考えること 3 14 4 国語の学習で、難しいと感じることは次のどれか。
(複数解答可)読むこと 8 9 読むこと 14 20 聞くこと 0 6 作ること 36 57 話すこと 31 34 考えること 58 43 5 今回の学習の中にインタビュー活動をとりいれたが、どうだったか。 よかった
71 まあまあ
23 あまりよくなかった
3 よくなかった
3 6 書くことや話すことが少しでも好きになったか。 書くことが好きになった
80 話すことが好きになった
63 7 話をしっかりと正確に聞くことを意識するようになったか。 意識するようになった
49 少しは意識するようになった
49 以前と変わらず意識していない
2 IV 研究のまとめと今後の課題
1 研究のまとめ
今回の研究の出発点は、生徒の話の聞き方であった。朝会時の話の聞き方・講演会での視聴の仕方、放送時の聴取態度、授業時の教師・発表生徒への耳の傾け方など、長い話を聞く耐性や情報収集能力が、今の生徒に欠けている最大の課題ではないだろうか。「読む」「書く」「話す」「聞く」という学習は、国語だけではなく、他の教科においても大切なことであり、その基礎を作り上げることこそ、国語科教師の最大の使命であると常日頃から感じている。国語に関する意識調査を行ったところ、四領域の中で一番基礎となる「聞くこと」を、生徒たちは実に安易に考えている傾向にあることがわかった。国語の教科書においても、音声言語の重要性は十分感じられる構成になっているが、以前「インタビュー」について掲載されていたことを思い出し、今回の主題を考えた。また、部活動の地区大会時に生徒がインタビュアーになり、ラジオの実況中継をしていたこと、さらに東北大会・全国大会に出場した折りに見た「速報記事」から、今回の取り組みを発想した。書くことや話すことを苦手としていた生徒にとって、自分で表現することが「絶対的に必要であるという場と機会」を設定することが大切なことであるとわかり、そのことについての研究として取り組めたことが今回の大きな成果であると思う。
2 今後の課題
[1] 「聞くこと」と「話すこと」が相乗効果を生み、それぞれのレベル向上に向けて学習できる場と機会を設定すること。
[2] 「聴き取りテスト」の実施方法の工夫と定着を図ること。
[3] 創作活動に結びつく豊かな個性や完成の育み方の研究と実践。