福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.130(H12/2000.7) -001/042page
巻頭言
情報ネットワークの活用に向けて
教育センター情報教育部長 堀川利夫
ICT(情報通信技術)の進展に伴い、学校教育においても、教育の情報化が着々と推進されています。文部省のミレニアム・ブロジェクトでは、平成13年度までに、すぺての小中高等学校をインターネットに接続し、さらに、平成17年度を目標に、校内LAN(Loca1 AreaNetwork)を利用して各教室からインターネットが活用できる環境整備を計画しています。
このような中、「うつくしま教育ネットワーク」処点としての教育センターには・インターネット用サーバーが整備され、まもなく本格的に稼働します。このネットワークは、教育関係機関だけの専用ネットワーク(教育イントラネット)として利用でき、児童・生徒が有害な情報等にアクセスできないようにフィルタリングの機能を備え、安全性にすぐれています。また、すべての学校にホームページ作成領域を十分提供できることは勿論、教育衛星放送による映像をもリアルタイムに配信できる規模の大きなものです。今後、教育関係情報のデータベース化が進めぱ、教職員研修や児童・生徒の学習活動に大変役立っネットワークになると考えます。
各学校がこのような新しい情報通信手段であるネットワークを活用するためには、様々な環境整備が必要となります。環境整備というと、コンピュータの整備やインターネットに接続するハード面を考えがちですが、人的環域、運営環境についても十分に整備する必要があります。特に、以下のことについての研究を進めてほしいと考えます。
○ 校務分掌に、運用責任者を位置付けるなど、ネットワークの適正な利用を図れる組織・体 制づくり ○ 新学習指導要領で体系化された情報教育の目標の具体化と指導の在り方 ○ 著作権等知的所有権の指導の在り方 ○ ブライバシーに関する指導の在り方 ○ 情報モラルやネットワークにおけるエチケット(ネチケット)の指導の在り方 ○ ネットワーク等を活用することに対する保護者への説明と協力依頼 21世紀を担う児童・生徒に、情報活用能力(情報活用の実践力、情報の科学的な理解、情報化杜会に参画する態度)をはぐくむことは必要不可欠なものです。そのため、各学校では、教育ネットワーク活用に対するソフト面の環境.整備にも積極的に取り組み、「各教科」や「総合的な学習の時間」の指導において自信を持って活用していただきたいものです。