福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.131(H12/2000.11) -041/042page
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観察・実験におけるセルプレートの活用
教育センター科学技術教育部
セルプレートは、組織培養用のプラスチック容器です。セルプレートは、穴の数が6穴(16ml)、12穴(6.5ml)、24穴(3.4ml)のものなどがあり、試験管やビーカーの代わりとして、スモールスケールでの観察・実験 ※ などに使用されています。
観察・実験でセルプレートを活用する利点としては、
○穴の容積が小さいため、実験で使用する溶液の量や廃液の量が少なくて済む。
○穴が並んでいるため、観察するものを並べて比較しやすい。
などが挙げられます。ここでは、観察・実験におけるセルプレートの活用例をいくつか紹介します。
1 中和の量的関係を調べる実験(化学領域)
(1) BTB溶液を加えた同じ濃度の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を用意し、セルプレートの穴に、次の表で指定した数だけスポイトで滴下する。
(2) BTB溶液の色から中性に近い穴の番号を判断し、加えた塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の体積どうしの関係について考える。
2 カエルの胚の観察(生物領域)
カエルの胚を発生の各段階ごとにセルプレートの穴に分け、双眼実体顕微鏡などで観察する。
3 砂粒の様子の観察(地学領域)
(1) 校庭の砂、川原の砂、海岸の砂などを採取し、水洗いして乾燥させる。
(2) セルプレートの穴の底面に木工用ボンドを塗り、採取した砂を振りかける。
(3) 20倍程度のルーぺや解剖顕微鏡、双眼実体顕微鏡で砂粒の違いを観察する。
※ 参考 荻野和子 「化学と教育」46,516(日本化学会:1998)