福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.132(H13/2001.2) -001/042page

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巻頭言

これからの学校経営に求められるもの

教育センター教育経営部長  齋藤 文和

教育センター教育経営部長 齋藤文和

当センターは、昭和40年に理科教育センターとしてスタートし、46年「福島県教育センター」発足とともに研修講座を開設、これまで多くの先生方と研修や研究を共にし、相互に実践的な指導力の向上に努めて来ています。今日、全国的な趨勢として、総合教育センターへの様変わりなど、教員の研修や生涯学習的な観点を含めた多くの機能を有する機関としての変化が見られます。

本県においては、現行の独自性を保ちつつ、研修と研究の量的な拡大と質的な向上を目指しながら、これまで以上に、小・中・高校間の連携を密にした研修の場を確保できるように工夫する必要があると考えています。こうした中にあって、第5次福島県長期総合教育計画に位置付けられ、新たな研修機関としての飛躍を期待するものでもあります。

さて、当センターでは、教育経営部が中心となり、一昨年から「福島県教育研究発表大会」を県文化センターなどを会場として開催し、学校やグループ、そして個人の研究に焦点をあて、研究成果の普及、並びに、各学校における教育活動に資する取り組みの紹介に力を注いでいます。ここでは今日的な教育経営上の課題に焦点を当て、昨年は「総合的な学習の時間」の在り方について、今年度は「特色ある学校づくり」についての講演を設けました。

こうした研究や研修の様々な事業にかかわってみると、実践に裏付けられており、先生方が共有でき、子供たちに還元される研究に焦点を当てていくことが大切であると思われます。また、一人でも多くの先生が学校経営の意識を高めていけるよう、次の視点から研修内容を充実させていく必要があると考えます。

(1) 教職経験を踏まえた創造性ある学校経営を実現する力量の養成

・広い教養と豊かな人問性を伴った教育愛と使命感の醸成

・教科経営や学級経営の専門性に裏付けられた実践的指導力の確立

・現状認識力、構想力、課題解決のための組織運用力の育成

・教育目標達成のための経営方針・経営戦略の樹立

(2) 特色ある学校づくりの一層の推進

・若手・中堅教員の参画意識を育て、専門性を発揮できる体制の確立

・明確な経営方針に基づいて学校全体をマネージメントする力の育成

各学校が抱える課題は、「生きる力」の育成、情報化・国際化への対応、そして問題行動への対処の仕方等、多岐にわたっています。その解決のためには、教職員一人一人が学校経営への参画意識を持って日々の教育活動を展開していく必要があります。社会全般の動きや地域の人々の願いにも気を配ることのできる視野の広さと思慮深さを持つ先生方がこれからの学校経営には強く求められてきます。そのような先生方に十分応えることのできる研修に取り組んでいきたいと考えています。


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