福島県教育センター所報ふくしま「窓」 No.132(H13/2001.2) -027/042page

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研究紹介

Visual Basic とAccess によるデータ変更・追加型ソフトウェアの開発

教育センター長期研究員  北村 政弘

I 研究の意図

1 時代の要請から

社会の変化に主体的に対応していく能力を育成するには、広い視野から問題を分析したり解決したりする方法を学習する必要がある。

そのためには、教材ソフトウェアも「教えるソフトウェア」から学習者が主体的に「学ぶソフトウェア」への転換が必要と考える。

現在の小学校算数科に対応した教材ソフトウェアには、図形や物体の動きを視覚的に表現するシミュレーション型や、問題を繰り返し出題して知識の定着を図るドリル学習型(解説指導型、問題解決型)などが多く、各学校の実態に即した問題を出題したり、誤答を判断させ、その問題だけを抽出・提示したりするデータベース型ソフトウェアは、あまり開発されていない。

2 県内の小学校のパソコン設置状況から

県内小学校のパソコンの導入率は、99.6%(前年98.5%)。そのうち、Windows95/98環境のパソコンを導入している学校は、83.9%(前年70.9%)で、この割合は年々増加している。しかし、ホームページを公開している学校は28校で全体の5.1%にすぎない。2001年には県内すべての学校がインターネットに接続されるという状況から、今後ホームページを公開する学校も増加することが予想される。このような最新のコンピュータの導入が進むにつれて、画像、音声、文字などといった様々な情報を扱ったマルチメディア型のソフトウェアは、児童の多様な学習活動を支援する教材として、ますますその需要が高まってくるものと考えられる。こうした観点からも、児童が実際に操作し、積極的に学習活動ができるマルチメディア型のソフトウェアを開発したいと考え上記の研究を推進していくことにした。

II ソフトウェアの開発にあたって

1 基本方針

以下のような考えに立って、ソフトウェアを開発することとした。

(1) 全学年のどの単元からも問題を提示し解答できるようにする。

(2) 児童の誤答をデータベース化し、正解すればその問題が消去できるようにプログラミングする。

(3) 授業の中で弾力的に扱えるように基本的な問題はあらかじめ用意してあるが、児童の実態に合わせ画像、文字等のデータは、各学校において自由に変更・追加ができるようにする。

(4) 小学校全学年を対象にしていることを考慮するとともに、パソコン初心者の教師にも抵抗なく使用できるように操作をできるだけ簡単にする。

(5) 授業研究を通して改善を図るようにする。


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