小説「和紙」 |
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小説「和紙」の最終章、ユウタが出征する前の晩です。二層目のネリを絞っていると、母屋の方で、何か言う、ユミの声が聞こえてきた。はっとした気持ちで、スゲタに手を掛けたが、一枚一枚い漉いていくうちに、やがて我知らず、いつもの漉き三昧のキョウに入ってしまって、ふと、足音が漉き屋の前に止まった時も、ユウタの心はフチのように静かであった。明日行くってのに、漉いてんの?だから漉いてるで。ふふっと、例の含み笑いをしただけで、そのままじっと立ち尽くす気配であったが、しばらくすると、さよならも言わずにユミの草履の音がゆっくりと、漉き屋の前を遠ざかった。 |
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千年伝統 上川崎和紙 |
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