日本の水彩画(2/2)

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吉田博
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吉田博は大正時代になると木版画家として有名になりましたが、明治期には水彩画作品で文展で受賞したことでも知られています。水をたっぷり含んだ筆で、朦朧とした大気を表現しています。静かな農村の一日の終わりでしょうか。私たちの心を和ませてくれる暖かな風景です。
南薫造
時間: 1分03秒
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明治時代も後半になると、画家は競ってヨーロッパへと渡りました。そのほとんどがフランスへ向かった中で、南薫造はイギリスを中心に滞在しました。ここで紹介するのは、いずれもそうしたヨーロッパ滞在中に製作されたものです。十分な水で溶いたイセグリの絵の具の下に、鉛筆の線が見えています。水彩絵の具の性質を生かした、このような方法は、水彩画の本場イギリスで学んだ成果と言えるでしょう。鉛筆の線が透けて見えるほどウスグリに手早く書いたスケッチ。そこには丹念に書き込まれた作品とはまた違った趣があります。
栗原忠二
時間: 1分07秒
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栗原忠二は東京美術学校在学中からからイギリスの天才画家ターナーに傾倒。卒業後、念願のイギリス留学を果たしました。この作品はグワッシュと呼ばれる不透明水彩絵の具で描かれています。絵の具が塗られていない部分を見ると、これが白い紙ではなく、茶色い紙に描かれていることが分かります。けれども、絵の具を厚く塗った部分では下の紙の色はほとんど気になりません。手前に暗い部分を置いて、遠くを明るく描くことによって、劇的な印象を与える作品になっています。こうした、巧みなグワッシュの使い方にイギリスでの勉強の成果を見ることが出来ます。

中西利雄
時間: 52秒
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南フランスの山間の村、ヴァンス。南仏では雪景色も明るく見える。そんな感動が画家に筆を取らせたのかもしれません。カラフルに彩られた家々や、湾曲した塀は力強い線で描かれています。筆の運びも大きく伸びやかです。中西利雄は主に昭和戦前期、水彩画を専門として活躍しました。明快な色使いと力強いタッチは新しい時代の到来を告げています。
親しみ易い
時間: 2分38秒
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私たち日本人の多くが、一度は手にしたことがある水彩絵の具。だからこそ水彩画は、私たちにとって親しみ易いものに感じられます。けれども、そればかりではありません。水彩画は私たちが愛する日本の四季を描くのに、とても適していました。それは日本の気候が、湿度が高いことによるのかもしれません。また、日本人の画家が長い間手にしてきたのが墨と岩絵の具という、水溶性の画材であったと言うことが大きな要因と言えるでしょう。生まれ育った国について話すとき、おそらく日本人の誰もが四季折々の風景の美しさを思い浮かべることでしょう。世界中に四季のある国は他にもあるはずなのに、ことさら私たちがそう考えるのはなぜでしょうか。それは、きっと日本の四季に独特の表情があるからではないからでしょうか。これまで、多くの画家が海外の風景に魅せられ、それを描いてきました。彼らは、それらに強く惹かれれば惹かれるほど、日本独自の美しさにも気付き、それを愛するようになりました。 そして、彼らは美しい日本の四季を描き、私たちはその美しさに感動するのです。

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