イギリスの水彩画(1/2)

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イギリスの水彩画
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画家が風景を描くとき、その切っ掛けとなるのは自然から受ける感動でしょう。水彩画、それは油絵よりも早く絵の具が乾き、水さえあれば何処でも描ける技法です。ですから、画家は自然からの感動を素早く描き留めるため、水彩画を描きます。
アレクサンダー・カズンズ
時間: 55秒
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イギリスでは18世紀以降水彩画が盛んに描かれています。アレクサンダー・カズンズはそのなかで最も初期の水彩画家です。色の少ない水彩画はまるで東洋の水墨画を思いわせます。遠くの山に神殿のようなものが見えます。所々に動物や人間もいます。これは実際の風景を見て描いたのではなく、アレクサンダー・カンズンズの理想の風景だと言えるでしょう。この後、目覚しい発展を見せるイギリス水彩画の歴史の最初に飾るに相応しい非常に重厚な作品です。
ジョン・ロバート・カズンズ
時間: 42秒
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ジョン・ロバート・カズンズは、アレクサンダー・カズンズの息子です。父のアレクサンダーと同様、近くのものを濃く、遠くのものを淡く描くことで画面に奥行きを与えています。後のターナーやガービンといったイギリス水彩画の天才達は、彼の作品を研究し、模写して修行しました。

ポール・サンドビー
時間: 58秒
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ポール・サンドビーはイギリス水彩画の父と呼ばれています。理想的な風景を描いたカズンズらとは異なり、サンドビーは、実際の風景を正確に描写しています。サンドビーは、イギリス最初の公的芸術機関であるロイヤルアカデミーの創立会員として、水彩画家の地位の確立に努めました。またサンドビーは、イギリスの風景の美しさをイギリス人自身に気付かせた画家としても重要です。イギリス水彩画の父という彼の代名詞には、イギリス風景の美の発見者であるという意味も込められています。
ターナー
時間: 55秒
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イギリス風景画の天才という名を欲しいままにしているターナーは、本来水彩専門の画家として、その画業をスタートさせました。この作品は、ターナーが晩年に描いたものです。ターナーは実際の風景を基に、ドラマティックな場面を作り上げました。一部の隙間もないかのような、圧縮された空気。この作品は、その後の自然主義や印象主義にも影響を与えた、ターナーの傑作の一つに数えられるでしょう。
ガーティン
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これは、面全体を柔らかな空気で包み込んだ、ガーティンの自然への愛情に溢れた作品です。ここでは、小川、丘、木々から建物、人物、牛にいたるまで、描かれているものすべてに大自然の生命が宿る、崇高な自然を表しています。僅か27歳という若さで夭折した、彼の作品は、今も輝きを失っていません。彼とともに修行して、後に名声を得たターナーはこう言ったといいます。もし、ガーティンが長生きしていたら自分は職を失って餓死してしまっただろう。ターナーとガーティン。この二人によって、イギリスの水彩画は繁栄を極めました。

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