イギリスの水彩画(2/2)

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コットマン
時間: 54秒
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コットマンはノリッジ派の中心的な役割を担っていました。ノリッジとはイギリスの東にある海に面した街です。この作品はフランス・ノルマンディーの建築物をスケッチしたものです。イギリスとは違う、とても明るい太陽の光が感じられます。娘たちの服の柄から建物の浮き彫りに至るまで、コットマンは非常に細密に描き込んでいます。ここにイギリス水彩画の伝統を指摘することも出来るでしょう。
ジョン・バーレンー
時間: 59秒
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ジョン・ヴァーレーは、イギリスで最初の水彩画家だけの団体である水彩画家協会を創立した一人です。水彩画家協会創立は、水彩画をイギリスの国民的絵画にする切っ掛けとなりました。ヴァーレーは19世紀前半のころ、人気絶頂の水彩画家でした。技法書も著し、水彩画教師としても引っ張りだこでした。この作品は、実際の風景を絵になるように再構成したものです。彼は、手前に羊や羊飼いを描き入れることで、作品に宗教的要素も加えています。
コックス
時間: 43秒
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ヴァーレーの愛弟子、コックスもまた自然の鋭い観察者でした。特に彼は、風景の中にいる時に感じた印象や、雰囲気というものを大切にした画家です。左から右に流れる雲、撓る木々、この作品を見る私たちは絵の中に吹く風を感じることも出来るでしょう。コックスは粗いタッチで素早く描くことで、活気ある画面を作り出しました。

デ・ヴィント
時間: 38秒
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早くから人気水彩画家となったデ・ヴィントも、ジョン・ヴァーレーの弟子の一人でした。まるで油絵を思わせる重厚な画面。この作品は横長のパノラマ的な構図とも相俟って、迫力を持ってこちらに迫ってきます。
サー・アルフレッド・イースト
時間: 1分03秒
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イギリスの水彩画は日本で広く受け入れられました。明治21年から明治25年にかけて、イギリスの水彩画家たちが相次いで来日します。ターナーの信仰者だった、サー・アルフレッド・イースト。すでに紹介した、ジョン・ヴァーレーの孫であるジョン・ヴァーレー・ジュニア。そして、イギリスの伝統的な植物画や庭園画を得意としたアルフレッド・ウィリアム・パーソンズ。彼らは講演をしたり、作品を展覧するなどして、日本の若い画家たちを大いに刺激しました。それらが一つの切っ掛けとなって、日本には画家も素人も含めた水彩画ブームが巻き起こります。
自然との共存
時間: 1分20秒
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自然と共存し、自然の中で描くと言うこと。イギリスの画家たちの自然に対する敬虔な態度が、作品を今でも瑞々しく保ち、私たちの心を和ませてくれるのでしょう。刻々と変化する雲や光の移り変わりを、画家たちはつぶさに観察し、感動し、そして描いていったのでした。イギリスの水彩画、それは四季を通して様々に移り変わる自然が育んだ絵画だと言えるでしょう。

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