オオムラサキが好む自然 |
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2分57秒
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福島県東白川郡鮫川村。季節は梅雨明け間近の7月中旬。この日、役場前に設置された飼育舎で、国蝶、オオムラサキの観察会が開かれました。さなぎの抜け殻がないかな?抜け殻かさなぎ。みんなでね、探してください。爺ちゃんの手に捕まって暴れてるよ。はい。あのー、羽化する前のさなぎがあります。これ。わかる?ほら、葉っぱそっくりでしょ?ちょっとね、かるーく、ちょっと……村の子どもは勿論、他の市町村からも虫好きの親子が参加しました。日本の国蝶オオムラサキはその名の通り、日本を代表する蝶。大型でその紫色に輝く羽は誰もが認める美しさです。このオスに対して、メスは羽全体が焦げ茶色をしています。本来、オオムラサキは、一部を除く日本全国に生息し、クヌギ、コナラ、エノキなどの多い里山をすみかにしています。鮫川村では、年に数回、このような観察会を開きながら、村全体でオオムラサキの住める環境作りに取り組んでいます。鮫川村の恵まれた自然は、オオムラサキの保護に最も適した環境なのです。鮫川村は阿武隈高原の南側、標高450メートル前後にある村です。村全体の七割が山と森林に覆われています。しかし、その中には渓谷や広々とした緑の大地が広がり、季節によって様々な表情を見せてくれます。その他、鮫川村は、県内有数の昆虫王国でもあり、オオムラサキはその代表といえます。これからご覧いただくのは鮫川村の豊かな自然を背景に育つ国蝶オオムラサキの成長記録と、オオムラサキの成長と共に美しく変わる鮫川村の四季の様子です。オオムラサキが好む自然、選んだ環境は、ここ、鮫川村にありました。 |
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オオムラサキの一生 |
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2分28秒
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8月。8月は鮫川村にとって、一番自然が輝く季節。さわやかな風を感じさせる青。深く透き通った緑。人も自然も汚れを感じさせない白。どの風景をとってもこの三色のコントラストが、絶妙な安心感を与えてくれます。夏の鮫川村は、昆虫たちにとっても最高の季節。姿形は違えども、おのおのがそれぞれの短い夏を過ごします。ヤブキリの脱皮です。こうして脱皮を繰り返し、成長していきます。夏はこうした昆虫たちの成長を促すと同時に、子孫繁栄、産卵の季節でもあります。アシナガバチがせっせと巣作りを始めていました。そのかたわらでオオムラサキも産卵を始めます。オオムラサキの産卵は7月下旬から8月上旬。一度に産む卵の数は70個ほど。これを何度か繰り返します。今回産卵した場所は、オオムラサキのために用意したエノキ畑。エノキは従来、人里近くの雑木林に多く見られる広葉樹。オオムラサキの幼虫は、このエノキの葉しか食べません。ここからオオムラサキの一生が始まります。 |
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時間:
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7月の下旬に産み付けられたと思われる卵を見つけました。孵化直前です。孵化するまでの期間は、天気が良ければおよそ10日間。この卵は、明日、孵化する予定です。標高700メートルにある鹿角平天文台です。ここからは360度の天体観測が可能です。夏の夜、虫の声を聞きながら見る大宇宙。この時期、こういった観測希望者が後を絶ちません。 |
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