からむし織 2000年 魂の伝承(4/4)

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機織り
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前ガランに、糸の始めをくくり、機に上げます。ここから、機の本体を使った作業が始まります。綾の上側に上がる糸を上苧、下に来るのは下苧と言い、下苧を上げる時のかけ糸をかけます。織り込む時に、経糸は交互に上と下に分かれ、その間に緯糸が入ってきます。経糸を体に固定します。機を織る人自身が道具の一部となるのです。ようやく、機織が始まりました。緯糸がついた杼を滑らせる音。経糸を交互に動かし、その間に緯糸を滑らせます。杼で打ち込み、糸が少しずつ布になっていきます。この機は、地機と呼ばれるもので、その歴史は古く、昭和村ではからむしだけでなく、麻などを使って生活に必要な、さまざまな布が織られてきました。
地機の良さ
時間: 1分49秒
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こちらはよく見られる、椅子に座った状態で織るもので、高機と呼ばれます。最近は、高機も増えていますが、昔ながらのからむし織りに地機は欠かすことはできません。地機は、機織に体全体を使うため、機そのものに慣れることが必要です。そのため、扱いが難しいのですが、地機での昔ながらの織り方でなければ、からむしの良さを引き出せない、と村の人は言います。機には、機織の神様がついていて、その神様は人見知りするので、機を織っているときに人が見ていると、うまく織れないのだと昭和村では言われています。機を織るときに気が散ると、布に乱れが生じるからです。食事や休憩で機を離れると、体が離れ、道具の一部が狂うため、一定の折り目を保てなくなるからです。それだけ集中して織ることが、高い品質のからむし織りを作ることにつながるのです。機織は、冬の間が最も適していると言われています。からむしの糸は、乾燥すると切れやすく、雪の湿度がちょうど合うこと、そして、冬の間は雪が降ると他の仕事が出来なくなるためです。
雪晒し
時間: 35秒
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そして、村にほんの少し春が近づいた頃、からむし織りの仕上げの作業が行われます。冬の合い間の晴れた日に、一面の雪の上に反物を数日広げます。これを、雪ざらしと言います。雪ざらしは、日の光と雪によってからむしの布をしなやかに、そして白くする効果があります。こうして、いくつもの手を通して、からむし織りはようやく完成するのです。

商品開発
時間: 41秒
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からむしの布は、しゃり感と弾力があり、繊維は強靭で、ほのかに光沢があります。現在では、着物の他に、生活に根ざした小物や、伝統の新たな活路として商品開発が行われています。
日本の文化遺産
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しかし、からむしの特徴や良さを生かしてやれるのは、やはり昔と変わらぬ自然が生み出す季節。からむし、そして、道具と人の手です。それらが一つになって織り成す技なのです。古より、昭和村の人々の手から手へと培われ、引き継がれた技は、遠い昔の日本の記憶を懐かしく蘇らせてくれる、不思議な織物を生み出します。からむし織り、そしてその技術は、21世紀に生きる人々にとって、かけがえのない日本の文化遺産となることでしょう。

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昭和村、(財)地域創造の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。