からむし織 2000年 魂の伝承(3/4)

[前] [目次] [次]
時間: 1分06秒
mpeg1
real
3.9MB
mpeg1
10.9MB
mpeg2
50.2MB
秋の彼岸の頃、家々でお引きされ、乾燥させ、この日まで大切に保管されたからむしを持った人たちが集まります。品質の鑑定を行うためです。長年、からむしを見続けた厳しい目で、品質によって特上・上・並みの三段階に分けられます。良質のからむしからは、細く強い糸が多くできますが、質が悪ければ、繊維が割きにくく、細い糸が作りにくいのです。毎年行われる品質鑑定は、生産者にとって最も緊張する場面でもあります。一人一人の技術が、からむしの良し悪しを決める事になるからです。
糸作り
時間: 54秒
mpeg1
real
3.2MB
mpeg1
8.9MB
mpeg2
41.1MB
少しずつ、冬の足跡が近づく頃、糸作りの作業が始まります。まず、苧績みと呼ばれる作業が行われます。水に湿らせたからむしを、小指や人差し指の爪を使って細く割きます。繊維の方向を揃え、割いたものを二本ずつ手繰り、一本一本撚りながらつないでいきます。績むんだ繊維は、苧桶と呼ばれる輪っぱへ溜めていきます。
撚りかけ
時間: 1分47秒
mpeg1
real
6.3MB
mpeg1
17.5MB
mpeg2
80.6MB
雪で覆われ、寒さが厳しくなる頃、冬の間に績み溜めたものを、糸車を使って撚りをかけます。このとき、経糸と緯糸によって、撚りの掛け具合が変わります。経糸は、強くなければならないため、多く撚りをかけます。撚りの強さは、糸車の回転数で調整します。それぞれの道具は、長年に渡って使われるうちに、工夫が施され、使い易いものになります。それはまるで、体の一部になっているかのようです。撚りがかけられた糸は、クルワに巻き取られます。ここから、機の下ごしらえに入ります。経糸を強くするために、糊づけをします。この糊は、海草の布糊を水に浸し、溶かしたものを使います。

経糸のべ
時間: 43秒
mpeg1
real
2.5MB
mpeg1
7.1MB
mpeg2
32.8MB
その後、いったんクルワに巻き取られた糸が乾けば、経糸のべという作業に入ります。経糸のべとは、織りたいものの長さに何本もの糸を揃えることです。ハタヘイとノベヘラと言う道具を使います。この時、経糸に緯糸を入れ込む部分を作ります。これを、綾と言います。これで、経糸は完成です。
早乙女踊り
時間: 49秒
mpeg1
real
2.9MB
mpeg1
8.1MB
mpeg2
37.3MB
昔ながらの風景が残る昭和村では、寒い冬の間に大切な行事が行われます。新しい年を迎え、その年の豊作を願い、家々を回る早乙女踊り。天高く炎をあげ、健康や繁栄を願うサイノカミ。炎は、太古からの祈りの象徴でもあります。厳しい寒さが続く中、人々はひとときの休息を味わいます。そして、からむし織りの作業も佳境を迎えます。
機上げ
時間: 1分51秒
mpeg1
real
6.5MB
mpeg1
18.1MB
mpeg2
83.7MB
ここから、機に上げるための準備に入ります。まず、筬と呼ばれる道具に経糸を通します。糸の端をオマキという道具に括り付けます。糸の交差した部分、綾。これを筬とオマキの間に慎重に移動させます。綾返しと言います。機織では、最も重要な作業です。道具は代々、その家で受け継がれています。一つ一つの道具には、これまで使っていた家族の思い出とともに深い愛着があるので、とても大切にされています。そして、オマキに巻いていきます。このとき、糸が絡んだり緩まないように、ハタクサと呼ばれる平たく、細い木の板を挟みながら、ゆっくりと巻いていきます。こうした作業は、子供の頃から、あるいはその家の嫁として教わりながら、毎年毎年繰り返し体で覚えるものです。考えることなく、自然に手や体が動くようになれば一人前です。

もどる

掲載情報の著作権は昭和村、(財)地域創造に帰属します。
昭和村、(財)地域創造の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。