ふるさと川俣の名山 -015/104page
一、御花畠が広前にある
これは1本々をひとまとめにして2、3間四方に広がった処の木の花は、夏に咲く石楠花である。花園であるが俗に名付けて花塚といってきた。この花は4月上旬より中旬までまっ盛りである。その節は美しさに見とれて手で折り取ると、氷雨が降るといって堅く禁じられている。そのために早魃の年には雨乞いに登山をするという。石楠花は昭和30年ごろまで見られた。
伝え聞く花塚山の石楠花は
口たの恋しき雨のめぐみを一、御籠り屋 三間梁に五間である。
これは御室より14、5丁前にある。立願の人が通夜する所である。拝殿の長床ともいう。この前に当辰(明和9年)の春に初めて鳥居を建てる。この施主は当御陣屋(川俣代官所)元締め大井五郎左衛門尉が雨乞いの願いが成就し、その霊験があったというので御建立された。
遠近の人も通夜する古もりやに
何かは神のみつけ付けなん「花塚山」「月山」「金華山」の三山信仰がある。特に「金華山」信仰については、毎年4月下旬に、宮城県の金華山に4人くらいで代参し、御神符を受けて来て、代参人が山頂の祠に奉納する。代参人が下山後下の集会所に講中全員が集まり御札開きを行い祭りを終える。以前