ふるさと川俣の名山 -060/104page
● 生活の中の太郎坊山
現在の太郎坊山の西・南・東斜面は、小島財産区の土地で、小島林業組合が管理している。杉と松を植林し、一部は保安林に指定されている。このように太郎坊山周辺は、生産のために定期的に植林と、伐採を行っているところである。また、西斜面には「アべマキ」、別名「鬼椚」というコルクの原料となる木がいたるところに生えている。昭和の初期からビール瓶の栓の内側のコルクの材料として出荷していた。現在でこそコルクに代わるものが使われるようになり、伐採すらしなくなってしまった。
● 太郎坊山の植物の特性
太郎坊山の西斜面にはd「アべマキ」[鬼椚(おにくぬぎ)]の群生がある。西日本にしか見られないと言われるアべマキがここにあるのは、1806年(文化3年)6月5日月舘町下手渡(しもてど)に福岡の三池から新領地に移ってきた立花氏がアべマキの種であるどんぐりを持ってきて、自分の住む領地にも同じ木を植えたのではないかと、地元の人たちは言っている。
春から秋にかけての山野草の種類は多く見ることができる。印象に強く残るのは、春先に見られる二リンソウの群生。初夏に見られるユウスゲの群生地は印象が強い