ふるさと川俣の名山 -073/104page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

● 動物

 足跡を見ると、猪はいたるところに出没し、付近の人の話によると、多数の猪がいるものと思われる。その他にキツネかと思われる足跡が見られる。

● 昔からの言い伝え・伝説・行事

 倉ケ作には、享保年間に建てた風神、雷神宮の碑がある。(川俣史談:高橋良)

 鳴神講とは、信仰の象徴となる祠堂も特定の場所もなく、ナリカミ様は部落住民の心の中にだけ存在している。小島小ケ坂の鳴神講は、毎年2月6日に行われている。

雷神社  (川俣町字布引11):祭礼日は、旧暦3月15日

鳴神堂御湯立御託宣

 旧暦3月14日夜、倉ケ作部落各戸から世話人宅に若者が集まり15日の役割を決める。神主(春日神社宮司)係一名、法印(本町萬法院)係1名、ノリワラ係1名、ノリワラ託宣書記2名、湯立釜係2名、その他を決める。若者達は、その湯で注連縄を作る。御護符に用いる赤飯は当日世話人宅で炊く。

 3月15日朝9時から鳴神堂にのぼる。鍬、山刀、スコップ、机釜(直径2尺5寸位のもの)バケツ、むしろをもって登る。かまど形に土を掘り芝クレをつんで釜をすえる。四角に竹を立て注連を張る。一番近い清水から水を汲んでわかす。11時頃湯がわくので鈴竹の笹を60本くらい用意して清める。午後になると神主、法印、ノリワラ、倉作部落の氏子、飯坂壁沢部落、小島古河坂部落、小神の信者が集まり着席、神主の祝詞あり湯立ての行事が行なわれる。次に法印の祈祷があり、部落から選ばれたノリワラを部落の若者が、ツイタ、ツイタ、月山、羽山、の権現ツイタとはやせば、幣束をもったノリワラは直ちに神がかりになりその年の作柄について御託宣がはじまる。

 赤飯の御護符と雷神のお札と御託宣を記した紙を受け取って下山するのである。

(川俣町史資料)


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は川俣町教育委員会に帰属します。
川俣町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。