ふるさと川俣の名山 -083/104page
麓山館
山頂は平坦で、周囲には数段の平場が設けられており、舘跡であることがわかる。山頂からは霊山(りょうぜん)を眺望することができ、霊山城の見張りのために設けられた舘といわれる。山頂から羽田羽山への道を進むと舘の範囲を区切る空堀がある。
麓山二ッケル鉱山
昭和20年代に麓山からは二ッケルを含む鉱石が発見され、南東部の中腹から二ッケル鉱石を掘り出したが、埋蔵量やニッケルの含有量の少ないことから採掘が中止された。付近に露出している岩を細かに砕き、磁石を近づけると石の粒がつく。また、白い木の板切れのように見える石綿を見つけることができる。
麓山の民謡
「わたっしゃ 小神の麓山の下よ 生水(きみず)飲むせいか 色黒い」
● 生活の中の羽田羽山
羽田羽山を信仰の山として羽山神社を守ってきたのは、羽田七軒と昔から呼ばれる、旧羽田村の旧家の七軒であり、建立時期や由来は定かでないが、この七軒が中心となって祭礼や諸事を行い、信仰を守ってきたそうである。現在では、毎年4月に烏合内の人たちが中心になって祭礼を行っている。