月舘町伝承民話集 -021/200page
数人の若者たちは、自分たちの犯した罪を深く感じど うしたらよいのか判らなくなりました。お上に届け出 ようか村役人にお話して指図を受けようかといろいろ 迷ってしまいました。しかしそのころは代官の取り調 べは、とても厳しい事をきいていました。
そこで若者たちは相談して、法印が酒を飲んで山道を歩いている うちに足をすべらしてがけから転げ落ちたようにした 方がよいと考え、夜が深くなるのを待って山の方へ運 んで行きました。そして梶内の近く月館と御代田の村 境から御代田の方へ転げ落しました。御代田の人たち は村役人を始め、大勢集まってお寺のお坊さんを頼ん でねんごろに法印の霊を慰めました。
それから間もなく月館の法印屋敷の近くから出火して部落の大半が焼 けました。その後、引き続き三回も字町に火事が起こ り、部落の人たちは非常に困窮し、よその村に移った 人も沢山ありました。そしてだれいうとなく法印の死 骸のあった所を法印ころがしというようになりました。