月舘町伝承民話集 -049/200page
袖の庵主・尼さんの祟り
上手渡地内上松葉の南となりの袖というところがあります。そこにみすぼらしい小さい庵寺があり、ひと りの尼さんが住んでおりました。健康すぐれず寝たり、起きたりして日を送っておりました。どちらかとい うと人によく思われない性質の女性で、親しんで近寄ってくる人々もありませんでした。
たべるものにも事を欠き、薬を与えるものもありませんでした。そのうちに病がひどくなり人を恨み、地 主を憎みながら死んでゆきました。すると地主も病気をしたので、神おろしをして聞いてみると、尼さんの 崇りだということでした。早速神に祀り、古屋の氏神春日神社に合祀したということである。