月舘町伝承民話集 -082/200page
た勇気と根気のある若者に、わが意をかなえさせる。」といい伝えた。
それから若者たちは、毎晩勇気をふりしぼって恋の錦木を立て続けたという。このことに因んで、昔の「宣 撫沢」は後に 「千本沢」と呼ぶようになったという。果して、千本の錦木を立てた若者がいたかどうかは知 るよしもない。(3)「布さらし岩」その他
小手姫にまつわる地名も多いが、小手姫神社上流50米のところには、姫が織った布をさらしたという「布晒石」があり、また糸をとるときに使う「綾竹」をとったところを「竹ノ内」、ほかに筬塚(おさづか)をおさめたという「筬塚」、わくをおさめた「わく塚」などもあり、布川の地名もまた小手姫のゆかりによったもので、町の文化財とし て指定されている。