月舘町伝承民話集 -094/200page
が動いている。よくよく見ると親狐が目をかがやかし、口をひらき、しっぽで戸をたたき、次に板戸にすり つけ、夜ばい男そっくりの仕わざ。戸口を開ければかみ殺そうとする形相だ。思わずぞっとして身ぶるいし たが、怒鳴りつけたら狐は山へ逃げていったどぉ。狐は執念深いやつだとじいさんはこのことをよく孫たちに話してくれたんだどぉ。