月舘町伝承民話集 -099/200page
にはぬかをさがしさがし、その小道をくれば間違いなく家へもどれべい。」
そうして、袋にもみぬかをいっぱ い入れてくれたんだどぉ。ばか婿はそれを少しづつこぼしながら、峠を越えて、やっとの思いでしゅうとの 家について、帰りはそのこぼれたあとを見い見いきたどぉ。
「おっかあ、帰ってきた。ありがてい、ありがて い。」とおっかあに手をついたんだどぉ。ばかものの親子のはなし リ
あるところに、ばかものの親子三人がすんでいたどぉ。春の日に末の弟が家に帰ってきて、うぐいすの初音 を山で聞いたといったどぉ。
「なんとないた。」と聞くと
「ででっぼとないた。」という。
兄はそれを聞いて 「ばか、それは山鳩か、山鳥だぞ。」といったんだどぉ。父はそれにつけ加えていった。
「背兄(せな)は背兄だけあるわ」。