月舘町伝承民話集 -107/200page

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にあんがくっついています。」という。坊さんは「なるほど仏さまがくったかな。それなら仏さまをいじめて たたいてみよう。」とかねのばちでたたいたら「くわん、くわん」となったんだどぉ。「それみろ仏さまは食 わんでないか。」と詰問したら、小僧はまけていず「おしょうさま、それではわたしが釜で煮てみましょう。」 と仏さまを煮たら「くった、くった」とにえたぎる音がして、「おしょうさま仏さまは食ったといわれます。」 というのに坊さんは返す言葉がなかったどぉ。

とんち小僧のはなし ヘ

 むかし、あるお寺に坊さんと小僧がおったんだどぉ。ところが坊さんは
「小僧、朝が早いからお前は早く 寝ろ。」
 と小僧を寝かして、眠ったあとに庫裏でこっそりだん家であげたもちを灰のなかにくべて焼いては食 っていたんだどぉ。いつか小僧はこの坊さんの隠しごとをかぎつけ、何とか自分も食ってみたいと思って、 いろいろ知恵をしぼったんだどぉ。幸い今日はだん家の新しい家をつくる建前によばれたので、一つこのこ とを話してもちにありつこうと坊さんがもちをくべて焼けたころ起きてきて
 「おしょうさま言い忘れたこと がありました。今日は建前によばれていって、こんな大きな柱をたてました。」
と、そういって火ばしでもち のある灰の上をつっついたんだどぉ。そうしたら火ばしといっしょに、まるくおいしいもちがもち上った
「小 僧、とうとう見つけたか。夜食にお前もたべるがいい。」と小僧にわけまえをわけてくれたんだどぉ。

とんち小僧のはなし ト

 むかし、ある寺に坊さんと小僧三人がいたんどぉ。坊さんは夜になると
「小僧ども朝早いから早く寝ろよ」
と寝かせたあと毎晩のように庫裏の囲炉裏でだん家であげたもちを焼いて、コッソリ食べていたんだどぉ。


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