月舘町伝承民話集 -111/200page

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猫のたたりのはなし

 むかし古猫がとなり近所の鶏をとって食べ、手あま しとなっていたんだどぉ。それでその家の主人は
「こ のまま生かしておく分には出来ねい。」とその猫を殺し て、屋敷の隅に穴を堀って埋めたんだどぉ。
ところが あとでこの墓の上に、不思議なきのこがぞくぞく生え てきたんだどぉ。主人は
「これは猫のたたりかも知れ ねえ。食べてはならねえぞぉ。」と、いってそのきのこ をみなとって小便だめに捨てさせたんだどぉ。
とこ ろがしばらくたって、小便だめに鰌がいっぱい泳いで いるのを見つけたんだどぉ。
「おや小便だめにぼうふら のように不思議な鰌がいるわい」主人はそう思って
「猫 のたたりかも知れない。たべるでない。」そういましめ たんだどぉ。
しばらくしたらその墓にかぼちゃが生え て、たくさんなったんだどぉ。ここに種子を捨てた覚 えはない。主人は 
「これもたたりだ。たべてはならな いと堅くいましめ、命拾いをしたんだどぉ。

猫のたたりのはなしの挿絵


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