月舘町伝承民話集 -122/200page

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それは面白そうに歌やはやしの太鼓で「トンカラリトンカラりと機の音。お大尽様への嫁入りじゃ。花婿様 がおみえじゃ。ひと目みないか。ちょうちんづらりとならぶぞ。」うり子姫は、初めはじいさんのいいつけを 守って、返事をしないで機織りしていたんだどぉ。ところが、おもてはにぎやかで、花婿の迎えの声がし「うり子姫、開けてくれ。行列そろえて迎えにきたぞぉ。」と。それに供の者も声をそろえていうので、ついさそ われて障子を開け「おはいり」と声を出して迎えたんだどぉ。開けてみると頬かむりの意地悪者のあまのじ ゃくがづけづけあがってきて、その魔力でうり子姫をとっておさえて、山の中につれて行って殺してしまっ たんだどぉ。そして何くわぬ顔してあまのじゃくは、トンカラリと機を織っていたんだどぉ。夕方じいさん たちが帰ってきて、機織りしているあまのじゃくに向って「何もなかったかい。」と聞いたんだぉお。「はい」 とやさしい娘にばけてあまのじゃくは答え、そうして嫁入りの日がだんだん近づいたんだどぉ。

 都のお大尽からは立派なおこし入れの荷物が届くやら、かごの用意をしてもらえるやら、毎日たいへんなさわぎだったんだどぉ。そうしてついに婚礼の日となり、うり子姫にばけたあまのじゃくは、こし入れのか ごに乗り、供の者につきそわれて、じいさんばあさんと山の家から峠にさしかかったんだどぉ。そうすると 山の小鳥たちが木立ちで鳴く声を、じいさんばあさんは聞いたんだどぉ。

  うり子姫の乗りかぁごにあまのじゃくが乗りこんだホイホイ

  うり子姫の乗りかぁごにあまのじゃくが乗りこんだホイホイ

じいさんはこの声を聞くと、さてはあまのじゃくがいたずらをしたかと、もう娘のいないことに気がついて、 深い悲しみに胸つかれ「あまのじゃくめ、かたきをとってやる。」と心にきめて、かごの中のあまのじゃくを


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