月舘町伝承民話集 -123/200page
ひきずり出し、さんざん打ちのめし、うり子姫のかたきをとったんだどぉ。
狐にばかされかかる
むかし元苗内に豊之肋というじいさんで、鉄砲ぶちの名人がいたんだどぉ。あるとき鉄砲をかついで長窪 の山に入り、昼飯を食おうと窪の入に来ると、急にあたりがまっ暗になり一歩も進めなくなったんだどぉ。 魔者のいたづらと思って、ゆっくり腰かけて、たばこ入れの胴乱からたばこをとり出し、スパリスパリとや っていたどぉ。そうするとしばらくして自然にやみが消えて明るくなり、あたりが見えるようになったんだどぉ。お弁当に油あげの煮物が入っていたのをとりに来た、狐の仕業だったとあとで気がついたどぉ。