月舘町伝承民話集 -131/200page
火事の守り観音様だ」ということになった。その後観音堂を建て、安置したということである。
それからは誰いうとなく、この観音様を「愛宕サマの焼観音」というようになりました。いまもこの焼観 音様、下半身が焼けたまのお姿で、静かに松風を聞きながら坐っておいでになります。
猿を負かした蛙のはなし
むかし、山の上に一匹の猿と、その下の田んぼに蛙が住んでいた。ある日のこと猿が蛙のところにやって 来た。
猿 「蛙どんや、よい相談でもしてうめい餅でも食いていと思って来たんだがどうだべない。」
蛙 「それはぜいことに気がついたもんだ、猿どんはなんてったってこの辺での知恵者だからなよかんべ、 だがうめい餅を食うにはどうやるんだい、おらにはちっともわかんねいから早く教えてけろや。」