月舘町伝承民話集 -151/200page

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月山と刈田山と花塚山

 むかしむかし大むかし天照大神のご命令によって月読命たち三人の姉妹が東の国にお下りになった。三人の 神様たちは山形県の月山と宮城県の刈田山と福島県では花塚山とにお鎮まりになる定めだったが、どの方が どの山にお出でになるのかはまだ決定していなかったので、ある日、三人の神様たちがご相談になった。
この 三人の神様の中で月読命は一番年下の妹だったがオ智があり話もきびきびした神様だったので、一番上のお 姉様に花塚山は非常に眺めがすばらしくて、お花畑があってとても美しい山ですから、お姉様がお出でにな るには相応しい山ですから、お出でになられては如何でしょうか。と申し上げた。一番上のお姉さんは気質の やさしい、おとなしい神様だった。妹のいうその美しいきれいなお花畑があるということでお花の好きな神様は それでは私がその花塚山に参りますと申し出られました。月読命は次のお姉様に、お刈田山はとてもきれい な山で山頂からは月山も見えますし花塚山も眺められます。とても美しいお山ですが、お姉様お出でになり ませんか。と申し上げますと月山も花塚山も見えるのでは何時も姉妹三人が一しょにいるような山ですから 私が刈田山に参りましょうと仰せられ月山には一番下の妹の月読命が鎮座されたのだといい伝えております。
それで今でも花塚山にはお花畑があり、その花は他所では見られない美しい花だと聞いているが、お姉妹 でも知恵のある一番下の神様が一番尊とい奥の御山の月山にお鎮まりになったのだといい伝えている。

[筆者注] これはこの辺に語り継がれて来た伝承民話であるが、月読命が三人のお姉妹の一番年下の神様だ った事はあり得ない事の様に思われる。古事記には天照大神より月読命に夜の世界をしろし召せと仰せられ


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