「ふるさとの小径を行く」 -005/168page

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 これらのことから、Bで火を燃し、Aにオキを入れて火種にしたり、料理をし、Cは、燃料を置いたところとみられます。このような複式炉は、福島県において多く見られるものですが、縄文後期に入るとたちまち姿を消していきます。生活様式の変化がその原因であろうと思われます。

 この複式炉を中心として、どのような住居がありどんな集落をつくっていたかはまだ不明です。

小手姫の伝説
わく塚(わくづか)

 わくノ内遺跡を五メートルほど西へ進むと高さ三メートルほどの塚があり、二本の老松が塚を守るかのように枝を茂らせています。ここが、小手姫の金 の糸わく(わく)を納めたという伝説の場所「わく塚」です。

 塚は、上部の周囲が約十メートル、底部の周囲が約三十メートルある円墳です。円墳の東部が少し平坦になっているのは、塚を築くために土を採ったものとみられます。

 このところは、西が広瀬川に臨む崖状になっており、御代田を一望の下に収めることができる景勝の地です。伝説とともに地域の人たちによって保護・信仰されてきたところです。

 当古墳の築造年代は明らかでありませんが、今から一三〇〇年ほど前のものであろうとされています。

わくづか
わく


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