「ふるさとの小径を行く」 -011/168page
洪水で発見された
砂地遺跡月舘臼石線の砂地地内の県道沿いにあります。大正二年の洪水の折、地下三メートルのところから大量の鉄滓が現われ、遺跡であることがわかりました。同時に羽口等も出土したとのことですが、詳細はわかりません。遺跡はまた埋設され、現在では水田に復旧され耕作されています。したがって、鉄滓も田の側溝から拾える程度になっていますが、水田の金気水は、地下の鉄滓の存在を証明しているようです。
桑園となった
堰場遺跡布六公民館から山合いの道を東へ二百メートル入った桑畑に今でも多量の鉄滓が散乱しています。古い製鉄所跡であろうと推察されています。
表土から採集できる鉄滓は五〜十センチのもので比較的小さく、黒味の濃いものです。羽口は小片しか採集されていませんが、外径七センチ程度のものとみられます。製鉄所跡の遺構は、県下でも発見例が少なく、詳細な調査が待たれています。