「ふるさとの小径を行く」 -012/168page
月舘への要衝
三郎内館跡布川の熊野神社より東方百メートル、中妻公民館左手の道を登りつめたところに「三郎内館」と呼ばれる館跡があります。現在は、桑園になっていますが、頂上部の平坦地約十アールぐらいのところが館の中心部で、それより下へ三段になっていて、総面積は一町歩(一ヘクタール)ぐらいになりそうです。
館主、時代についての明確な記録はありません。信達一統誌の中に「古館 山の麓にあり、むかし小梁川太郎左衛門居住せり」とあるところがここを指 すものとみられます。
小梁川氏は、伊達家の宿老の一人で、梁川町の中にその姓の起こりとなった小字が残っています。
また、三郎内館というのは、南北朝時代に南朝方の新田三郎という人が築いたことからつけられたのだという説も伝えられています。
三段のうちの二段目にあたる稜に、中妻の地名にゆかりのある蛇霊様の祠があります。部落の人たちによって今でも大切に祀られています。