「ふるさとの小径を行く」 -039/168page
大平の馬頭観世音と雷神供養塔
御代田、大平地内の国道の南側、北向の山の斜面の雑木林の中に二アールほどの平坦地があり、その片隅に高さ約一メートルの「馬頭観世音」碑が建っています。右に「文久三癸年」(一八六三)とあり、左下に「大十、前八、中九、示十」と刻んでありますが、それぞれの文字は地名と関係者数を表わしているようにみられます。もし、そうだとすると文久年間の戸数をうかがうことができそうです。
ここの広場も伯楽によって馬の健康診断や手入れが行なわれるとともに、馬主たちの交歓の場であったようです。
馬頭観世音碑から国道をはさんで北へ急斜面を登っていくと、ゴルフ場も間近い頂付近に、高さニメートル近い大きな「雷神供養塔」が建っています。寛政十一年(一七九九)の建立です。
以前は国道側の岩の上にあったそうですが里人によってこの山上に移されました。
現在では例祭もありませんが、わらのおつつが数本供えられており、信仰の絶えないことを示しています。