「ふるさとの小径を行く」 -041/168page
蓮光院跡
御代田から霊山町石田に通じる県道・境ノ目の三差路より東へ一五〇メートル入った高台、今野氏の宅地の西片隅に数基の石塔の並んだところがあります。石塔や刻まれた法名により寺または、それに類した庵のあったところとみられます。
石塔の中でとりわけ大きいのが、高さ約一メートル十五センチ、幅三十七センチの花崗岩の石塔で、中央に南無阿弥陀佛、左に蓮光院妙通、側面には正徳、元年(一七一一)建立と刻まれています。
当時、天台宗の法印がこの地に住み、祈祷、加持を行なっていましたが、その死後妻女も尼となってその寺に起居し、仏道に帰依し、近隣の信望を集めていました。その人が蓮光院であったと伝えられています。
境の目の三差路より広瀬川寄りの水田の一角に「地蔵川原」と呼ばれるところがありますが、この辺が地蔵の並ぶ参道ではなかったかといわれています。