「ふるさとの小径を行く」 -053/168page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

して伝わるところによると、昔、夢枕で白蛇から絹織物のつくり方を教えられた人が、白蛇の霊への報恩という意味で、化身が白蛇である白山権現を祀ったとのことです。

 創立年代はわかりませんが、文政年間の布川の古地図には、中平に堂宇のあったことが記されておりまた、堂内に献納されている天狗と仁王の木面のうち、仁王面の裏に「寛政八丙辰中夏陸奥大久保氏奉納十二神大願」の文字が見られることから、当時既に祀られていたことがわかります。

 明治の中ごろ、堂宇の老朽甚しく、とりこわしの話もありましたが、信者の願いによりようやくとりこわしを免れ、明治四十二年、中平から現在地の茂林寺境内に移されました。祭りは部落青年の手により八十八夜の日に行なわれています。

布川の熊野神社

 村石の入口、老松が聳える山の麓に伊弉諾命、伊弉再命、久久能智命の三柱を祀る布川の鎮守熊野神社があります。

 神社の縁起として「熊野大権現麓山大権現両社宮慶長二年(一五九七)羽州上杉様給人小梁川民部申仁勧請仕申候」という文書が伝わっています。その後、宝暦の大火で類焼し古記録の大半を失ないました。

 石の鳥居をくぐり、きざはしを登ると正面に拝殿があり、その奥に本殿があります。拝殿は大正十二年に再建されたもので、以前の建物は左手に遷されて古拝殿となっています。拝殿の右手には神馬庫、神輿庫を経て一メートルを越す大きな石塔が三基建てられていますが、昭和十七年に月舘町煙草耕作組


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は月舘町教育委員会に帰属します。
月舘町教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。