「ふるさとの小径を行く」 -054/168page
合によって建立された「煙草大神」の碑は珍らしいものです。
石塔を過ぎると農作の守護神「麓山(はやま)様」の社殿があります。大戦前までは、麓山籠りをはじめ「火渡り」の行や、口占(くちうら)など農作に関した神事が行なわれておりました。戦後はこのような神事は消滅してしまいましたが、拝殿前で行なわれた「火渡り」を記憶している人もあろうかと思われます。
麓山様の隣りは、延命地蔵・愛宕様、金比羅様を合祀する社です。
拝殿の裏手から裏参道には石塔が多く建てられ、今でも参拝する信者の姿を見ることができます。
熊野神社には「三匹獅子舞」が伝わり、氏子の若者たちによって受け継がれてきました。伊勢参りのときおみやげとして獅子頭と舞を持ち帰ったといわれていますが、弓を中心として三匹の獅子が踊るたいへん活動的な舞です。一時は廃絶の危険にありましたが、若者たちによって継承され、大字団結の一事業として十月の祭礼の時に奉納されています。また、春の祭礼には壮年の奉納する「太々御神楽」も欠かせないものでしたが、今では行なわれなくなりました。