「ふるさとの小径を行く」 -059/168page

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赤井堂地蔵尊

 県道臼石線と広畑線の分岐点近くに建つ赤い堂宇が地蔵尊を安置する赤井堂です(あかは仏教の言葉で仏に供える浄水〔閼伽〕を言う=辞苑)。小手郷順礼礼所五番です。

 本尊の地蔵尊は高さ四〇センチの木像で、別名「しろかき地蔵」とか「子育て地蔵」ともいわれて親しまれており、地蔵尊にまつわる伝説も有名です(月舘町伝承民話集)

 地蔵尊の由来としては、建武の昔、北畠家の臣として従軍した小鉢内の斎藤隼人正が、阿部野ヶ原の戦後幾多の苦難に逢いながらも帰郷することのできたことを感謝し、持仏としていた地蔵尊をここに祀るようになったといわれています。その後、斎藤隼人正を家祖とする一族は産土神と併祀して今でも祭祀を続けています。先年の屋根の修理の際、弘化二丁巳(一八四五)(乙巳か)三月八日再建、施主五郎兵衛氏子十四名と記された棟札が発見されました。再建ですのでそれ以前よりあったことは間違いありません。

 堂前には、丸い繭形をした「蠶」(文政六年(一八二三)ほか「金華山」「辮財天」のほか庚申塔も立ち並び人目をひいています。

赤井堂
赤井堂


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