「ふるさとの小径を行く」 -061/168page

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十良田の供養碑

 広畑線から中古屋への分岐点の反対側に旧道が少し残っています。その曲がり角のところに、高さ二.五メートル、幅七〇センチの大きな自然石に「南無阿弥陀佛」の名号が彫られた碑があります。右側面に「寛延四辛未年十月十日、人数七十五人、茂林自鑑代」と刻まれています。寛延四年(一七五一)は宝暦元年です。造営途中で改元になったものと思われます。

 東北凶作年表によると、一七〇〇年代には頻繁に冷害があり、餓死者も数多く出たことが記されています。

 当碑もこれらの災厄による死者の霊を弔うための部落の人々の浄財によって建立されたものと考えられます。

 往時の人々が自然の猛威の前におののき、飢餓と戦いながら心の安らぎを信仰に求めていった姿が浮かぶような供養塔であります。

十良田の供養碑
十良田の供養碑


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