「ふるさとの小径を行く」 -062/168page
千手観世音堂
広畑線より中古屋へ入つて百メートルほど進んだ左側にある萱葺の御堂が千手観世音を安置してある観音堂です。創立は、寛永七年(一六三〇)寅三月十七日大願主地方相衛門、世話人喜左エ門が清水寺住持を導師に招請し、千手観世音を奉祀した旨記した奉請の板札が現存しています。現在の堂宇は、寛政四子年(一七九二)八月十八日施主銀蔵、世話人喜左エ門外六名によって再建されたもののようで 「奉再千手観音堂造営別当茂林寺」なる板札も納められています。
如意輪観世音(滝見観世音)
脇佛の如意輸観世音は、堂宇再建と同年の十月、禅木食自在法師によって刻まれたもので、全長九七センチ、全体に黒墨を塗り、口唇に朱を用い、切れ長の目などに特徴があります。岳林寺の地蔵尊と同一作者とみられます。
この仏像は、昭和二十四年度、県文化センターで開催された県北の仏像展に出品、その容姿から「滝見観世音」と呼ばれるようになったものです。