「ふるさとの小径を行く」 -066/168page
犬飼の青麻(あおそ)様
犬飼から石田大城に通じる小径を沢沿いに登っていくと、山中に小さなお篭り堂があり、そのわきに「青麻神社」の碑が建っています。青麻(あおそ)様は中気除けの神様として信仰されてきました。本町内にもそちこちに小碑が建てられています。仙台市岩切青麻沢に祀られている青麻神社がその中心といわれています。
この碑は、昭和八年に本田伴蔵氏が中心となって建立したものです。碑のわきには「山神祠」があり明治二十九年申旧正月十七日遷宮・松本政吉の板札があります。お籠り堂には山の神の鳥居奉納の寄附名が残されていますが鳥居は見当たりません。
この祠の後ろに「普賢菩薩」を彫った石塔があります。普賢菩薩は滅罪延命の功徳を有し、白象に乗る美しい御姿です。辰と巳年生まれの人の一代守本尊です。
ここに至る道の途中、茶畑への分岐点に近い大岩の下に縄掛不動尊が祀られています。清冽な水が勢いよく流れる谷間にあり、参拝の人もおのずから幽玄な氣持ちにさせられます。犬飼の秘境といったところです。