「ふるさとの小径を行く」 -073/168page
片草の乳代観音と子育地蔵
片草の百庚申の傍らに在るま新しい御堂、それが「乳代観音と子育地蔵」が安置されている御堂です。
両像とも木造彩色で約四〇センチの大きさです。
観音像は、頭部及び手の一部が損失していますが古くより「片草観世音」別名「乳代(ちちしろ)観世音」と呼ばれ、乳房の病気や、乳の出の少ない婦人が竹筒に甘酒を入れて供え、祈願すると御利益があるとされ、祈願者も多かったところです。
小手郷三十三観世音の札所で、ご詠歌は
片草や、朝日かがやく観世音
乳ぶさのねがい、あらたなるらん地蔵尊は延命地蔵ですが、「子育地蔵」といわれ、子どもの諸病に利益ありといわれてきました。
この御堂は、文政十二年八月十七日創建の記録が残っていて、発起人は片草の善八、世話人は平左衛門外八名であることがわかっています。以前は旧県道近くにありましたが、道の拡幅などで倒壊の恐れがでたため現在地に造営されました。