「ふるさとの小径を行く」 -074/168page

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古谷地の薬師如来

 旧県道ぞい、片草を過ぎた古谷地地内、道のすぐ上に建てられた瓦葺の御堂が薬師如来を安置せるところです。

 当薬師如来は、約三五〇年前、豊臣の残党高橋帯刀が護持してきたものといわれ、以来高橋家の持佛として尊崇されてきました。目と耳に霊験あらたかなりとのことで、近郷近在は勿論、相馬方面の人々からも信仰され、信者の納めた旗やたくさんの着物にその盛況のほどがうかがえます。

 眼の病気には目、耳の病には耳という文字を年の数だけ書いて祈願するとよいといわれそれらの文字がたくさんみられます。また、石片に穴をあけて納めるのも耳の病気の治癒を願ったものでしょうか。

 この薬師堂は、一度火災にあい、明治二十八年に再建されました。当時はかや葺でしたが最近瓦に葺き替えられています。幸い薬師像は焼失を免れて今日に至っています。

 なお、高橋帯刀と共に二人の武士のうち、田代大学は小島の田代前に、岡崎刑部は、水沼に住み、それぞれ地蔵堂を建立して持仏としているとのことです。

古谷地の薬師如来
古谷地の薬師如来


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