「ふるさとの小径を行く」 -078/168page
古語老内の石塔類
細布、古語老内地内の道の北側の山の端に「太神宮」(安政三年)(一八五六)の大きな石塔を中心に「秋葉山」(享和二年)(一八〇二)「山神」(明和八年)(一七七一)のほかに庚申塔、子待塔、不動尊像などの石塔が建てられています。
現在では、雑木林に埋れて、訪れる人もないようですが、いわれのあるところとみられます。
これらの石塔群から八十メートルほど下ったところ、高橋氏の裏手の斜面に半分草に埋れた状態で、六十五センチほど地表に出た形の馬頭観世音供養碑が建っています。元文五年(一七四〇)の建立になります。
更に下って、ポンプ小屋を吉ヶ作の方へ向かって橋を越えるとすぐ右手に、自然石に彫った馬頭尊碑があります。慶応二年の建立です。このように、馬頭尊碑が多いことは、農耕及び運送に馬を使用したことを表わしています。そして、馬の定期健康診断及び、ひづめをはじめとする諸手入れをする所が各部落にあったのです。古語老内にも碑の近くにこのような所があり、年に三回位、伯楽と呼ばれる人々が来り、診断・手入れの後、手持ちの酒肴で歓を尽すのがならいであったといいます。