「ふるさとの小径を行く」 -079/168page
吉ヶ作の供養碑
細夫、吉ヶ作の道路側に九〇センチの自然石に「南無阿弥陀佛」の名号を彫った石碑があります。明和九辰天(一七七二)八月吉祥日、当村仁左衛門と側に刻まれています。
伝えるところによると、永らくこの地で栄えてきた旧家の仁左衛門氏が先祖伝来の田畑を売り払って転住することになり、先祖代々の供養のためにこの碑をたて、村役人や屋敷の人たちを招いて盛大な法要を営みましたがそのときの供養碑とのことです。
仲宝山真徳寺と慶応三年供養碑
細布の仲田地内に曹洞宗の仲宝山真徳寺があります。
縁起によりますと、文禄年間の初め、下総の人桑島與惣右エ門平胤次が、川俣町飯坂の頭陀寺八世日桂伝朔和尚(文禄四年示寂)を拝請して開祖とし、聖観音菩薩像を安置しました。この観音像は、弘法大師の弟子真雅上人の作と伝えられています。
堂宇は、数度の火災に羅り、昔日の面影はなく、記録も殆ど残されておりません。現在の建物は、慶応三年の類焼後、明治八〜十年に再建されました。
再度の火災の中、聖観音像は幸い無事で、昭和八