「ふるさとの小径を行く」 -089/168page
翼を張り、火焔光を負い、白孤の背に立つ烏天狗面の像は「飯縄権現(いいづなごんげん)」といい、また、秋葉大権現とも秋葉様とも呼ばれる火伏せの神です。度々火災に見舞われた月舘の人々がとくに厚く信仰した神で、現在も川組(舘ノ腰、梶内、酒呑ノ入)の信仰の要となっています。寛政九丁巳(一七九七)三月十八日の造立です。
秋葉様の右側には、大神宮(天保十五年)(一八四四)左に湯殿山(天明八年)(一七八八)巳待塔(安政四年)(一八五七)のほか多くの石碑が建てられ、信仰の有様を伝えています。
以前は、四月三日が祭日で、村社の宮司を祭司として祈祷後、持ち寄りの酒肴で宴をはりました。この風習は江戸時代からのものといわれます。当日、子どもたちが、紙の旗に「神武天皇祭」と自分の名を書き奉納した時代もありました。現在では「秋葉神社祭」となり、七月二十七日に例祭が行なわれています。