「ふるさとの小径を行く」 -094/168page
ことが偲ばれます。裏手にまわると蚕養宮があり、養蚕家の信仰を集めています。
拝殿の左手には、日清戦争の従軍碑があります。ここには日清戦争に従軍し、生きて帰郷することのできた喜びと従軍の誇りとが記されているめずらしいものです。
小糠塚
高山院より畔道を通り、北へ百五十メートル、独立した小高い山が南の大糠塚に対する小糠塚です。高山院の修験場として大切にされてきました。頂上附近の杉林の中には土壇らしいものもあって古墳ではないかとみられていましたが、古墳ではなさそうです。その周囲に三十三観世音菩薩の石塔と、信者がそれぞれ寄進した観世音の石像が安置されています。明治初年の排仏棄釈の被害でしょうか、石質の軟かいこともあってほとんどが破損しているのも心痛ましい限りです。