「ふるさとの小径を行く」 -103/168page
薬師寺の行屋
薬師堂の入口にある萱葺きの建物が、江戸時代から大正にかけて、羽山篭り等が行なわれた行屋(ぎょうや)です。
羽山(葉山、麓山、端山)信仰は、農耕の神を祀る行事で、精進潔斎(しょうじんけっさい)や行(ぎょう)を行ない、年占(としうら)(その年の作の出来不出来を占う)としていろいろな行事も行なわれたもので、東北地方で盛んでした。
月舘町内にも大字に二〜三の行屋がありましたが、建物として残っているのはここだけになりましたので、町教育委員会では重要文化財に指定して保護に努めることになりました。建物は、長年の間に改築・修理をくり返していますが、部分部分には古材もまだ残っており、造作そのものは変わっていません。
入口を入ると土間があり、その奥に床がはってあります。とくに固定的な祭壇はなく、時によってし