「ふるさとの小径を行く」 -106/168page

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 祭神は、小手姫・伊佐奈美命・小笹媛の三柱で、社は間口一間、奥行一間弱、小さいながらも黷テくりの立派なものです。創建は後醍醐天皇の御宇と伝えられています。

 女神神社の北方百メートル、斎藤氏の裏手に「ミダラシ」とも「鏡池」とも呼ばれる水面六平方メートル、深さ一メートルほどの泉があります。現在でも清水が湧出、どんな早魅にも涸れることがありません。

 伝説によると、小手姫がその水を汲み、水面にて容姿を整えられたので鏡池と言うとも、また、小手姫が髪をくしけずり、面貌を飾るのは誰がためぞ(この地には、わが夫とするに足る男がいない)と嘆かれて鏡を投じた池であるとも言われています。

 この泉の水は、女神神社・女神山々頂の小手姫神社の御神水として捧げられるほか、病気平癒のト占などとして信仰を集めてきました。

 この女神神社には年経た刀が御神刀として奉納されています。長さ七五センチ、幅三センチ程で鉄製ですが、腐食が激しく原型を推察するのが困難です。大糠塚古墳から出土したものとも伝えられていますが製作時代なども今のところ不明です。

 境内には、石灯篭二基のほか、「蚕養神杜」や「廿六夜塔」の石塔も建てられ、清楚な中にも氏子の社に寄せる愛着の深さが偲ばれます。

女神神社
女神神社


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