「ふるさとの小径を行く」 -110/168page
袖山の地蔵堂
上手渡一番組の公民館から東へ百メートルのところに地蔵堂があります。これが、信達一統誌の中に「地蔵堂、小手郷順礼札所三十二番、番匠内という 所に在り、地主権右衛門守護せるか」と記されている地蔵堂で、現在、地名の袖山をとって袖山地蔵と呼ばれているものです。
小径の左手、十五段の石段があり、左手には「大何塔」「子待供養」右手には梵字の碑及び印を結んだ石仏があります。
御堂は瓦葺板壁の間口二間、奥行二間半の広さで、中に高さ五十センチの木像の地蔵尊が赤い帽子をかぶって安置されています。
御堂の南側に平地があって杉林になっていますが、ここには太平洋戦争前までは行屋がありました。石段下に、道をはさんで井戸(泉)があり、行屋に籠った人々や行などで使用されてきたもので、今でも涸れることなく湧き続けています。