「ふるさとの小径を行く」 -134/168page
布川の植林記念碑
大字布川は、現在も広大な共有林を持ち、植林によって治山治水をはかるとともに大字に収益をもたらし、幾多の公共事業を推進してきました。これらの共有林は、一朝一夕にしてできたものでなく、多くの先人たちの努力があったのです。その遺徳を後世に伝えんがための記念碑が二基建立されています。
その1 中妻公民館前
高さニメートル余の碑で昭和二十三年に建てられました。当時の県知事石原幹市郎氏の筆になる題額がついています。内容は、部落共有林を持つに至ったいきさつと功労者、大正二年夏の大水害以来、国や県の補助を得て植林をすすめ、林道をひらいた結果木材薪炭の生産による民生の安定を得たことです。
その2 布川熊野神社前
碑の高さ五メートル余、題字はやはり県知事大竹作摩氏の書で昭和三十年に建てられました。内容は、共有林の広さとその管理のしかた。植樹五ヵ年計画を建てて杉五万本、櫟五万五千本を植えた。昭和二十八年には県の補助を得て最登山林道を開き、昭和二十九年には知事表彰を受けた。今後も治山治水と林道の開拓につとめる。植樹五十町歩達成を記念してこの碑を建てるというものです。ともに布川の人たちの山に対する愛情と誇りが胸に来ます。