「ふるさとの小径を行く」 -141/168page

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長谷部先生の徳碑

長谷部先生徳碑
長谷部先生徳碑

 糠田、薬師寺の境内、道路に面して建てられた高さ二米余の大きな顕徳碑です。

 長谷部先生は、名を宇之助、旧制安積中学校第一期卒業生で、福島師範学校に進み、明治十二年四月卒業です。同級生は十七人でした。

 その頃は、人材を探して、教員の養成に全力を注いでいた時代で、明治十二年には、一月、四月、七月、十二月と卒業生を送り出しました。数少ない有資格者として、地域の期待を一身にあびて明治十三年、新築成った小手小学校の教壇に立たれ、以来明治三十二年四月までの十九年間校長を勤められ三十八才の若さで世を去られました。翌年、明治三十三年三月、先生を敬慕する教え子たちによってこの顕徳碑が建立されました。いかに惜しまれた先生であったか察せられます。

 篆額は正五位勲四等福島県知事山田春三、撰並に文は鴎僊、田島寛、書は遂堂、高橋純蔵です。

 碑文の最後の銘に
 厥人雖歿 猶留厥名 生無小過 死有餘栄
 風暖花麗 山高水清 文徳綽々 千秋永明

 とあり、先生の高潔な人柄とそれを慕う教え子の情が生き生きと描かれています。


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