「ふるさとの小径を行く」 -144/168page
佐藤直君頌徳碑
上手渡線の中ごろ、上手渡道路改修記念碑と並んで建っているのが「佐藤直君頌徳碑」です。碑文の内容は、佐藤直氏の出生関係と誠実な人柄。早くから蚕業の改良発展に努めた結果、大正十五年には福島県養蚕教師の免状を授与され、地域の人々とともにますます養蚕の発展につくし、大いにその実をあげた。指導者としての氏の功績は顕著なるものがある。また、明治三十七、八年の日露戦役にも従軍、金鶏勲章とともに勲功に輝いた。まさに日本臣民の典型である。云々
篆額は衆議院議員菅野善右エ門氏、撰文は時の小手村長大河内二郎氏、書は同村助役千葉新作氏です。
富国強兵を国策とし、官民挙げてこれにとり組んだ明治から太平洋戦争までの国民性を物語る碑といえます。なお、佐藤直氏は昭和三十九年に八十五才で亡くなられ、上手渡二番組の墓地に埋葬されています。